我が家の息子は高校生の頃から留学を希望しており、2022年(大学2年生)の秋から半年間、ドイツに留学しました。
かかった費用は約¥1,400,000 (1€=138~145円)
「大学生になったら留学したい」そんな目標を持つ子どもさんは多いのではないでしょうか。
子どもが留学する場合、どの程度の費用が必要なのか気になりますね。
今回は忘備録を兼ねて、留学にかかった費用の詳細を公開します。ドイツ留学の例ではありますが、留学を検討している方の参考になりましたら幸いです。
- 円安とウクライナ有事が影響!かかった費用は約¥1,400,000
- ネット銀行N26の申し込みは諦めずに何度もチャレンジ
- 留学費用支払いの順番と費用を安くおさえるコツ
- 番外編:驚愕のギリギリ!尿管結石を乗り越え留学へ
円安とウクライナ有事が影響!かかった費用は約¥1,400,000
息子は高校生の頃から、大学でドイツに留学することを目標の一つにしていました。
私立大の学費+家賃+留学費用...
田舎の庶民である我が家では、かかる費用が心配でした。
ですから、息子が大学に入学してすぐ、留学した先輩方のレポートを参考にし、心づもりしていました。
しかし、2021年3月のウクライナ危機から、ガソリンや物価がどんどん値上がり。おまけに円安ユーロ高。
おかげで予想を上回る出費に、支払いが終わるまではハラハラドキドキの毎日でした。
息子は出発日直前までアルバイトを頑張り、ハプニングは色々あったものの(番外編に書きます)なんとか無事にドイツへと飛び立って行きました。
かかった費用は約¥1,400,000 (為替:1€=138~145円)
その内の24万円は奨学金を充てているので実際は約¥1,160,000支払っています。
では、その内訳を説明します。
● 航空券 往復¥234,850
フランクフルトまでの航空券代(JAL)です。
この時期、ウクライナ有事により燃料サーチャージ代が爆上がりし、なんと¥92,350
何か月も前から最低価格で購入できるようにチェックしていたのですが、まさかのサーチャージ代高騰で泣きました。
● 留学保険 ¥65,000
日本の大学で加入が義務付けられている留学保険代です。
現地で病気や怪我をした時、事故や何か物品を壊してしまった時など、様々なハプニングに対応してもらえます。(保障内容は各保険会社で違う)
ドイツで学生ビザを取得するには、原則としてドイツの公的な健康保険に加入しなければなりません。(月117€=当時17,000円位)
日本の留学保険ではビザ申請できない場合がほとんどです。
息子の場合はドイツの公的保険に加入し、毎月の生活費の中から保険代を支払っていました。
● 生活費の証明 約¥812,000
(この内奨学金¥240,000)
ドイツで学生ビザを取得するには閉鎖口座(ブロックアカウント)という特別な銀行に口座を作り、預金残高を証明しなければなりません。これは不法労働者を防ぐ目的であり、労働しなくても生活できることを証明するための預金です。
閉鎖口座には1か月934€×滞在月数分を入金するという決まりがあります。(2022年10月時点)
ただし、奨学金を受けている場合は、奨学金と合わせて1か月934€あればよいです。
息子の場合は日本で毎月¥40,000の奨学金を受けていますので、奨学金の半年分¥240,000(当時約1,674€)を引いた金額を入金しました。
加えて閉鎖口座の予備費として100€と手数料79€支払っています。
1か月934€×6か月=5604€
5604€-1674€(奨学金)=3930€
3930€+100€(予備費)+79€(閉鎖口座の手数料)=4109€
つまり、4109€を閉鎖口座に入金しました。
それから『wise』という格安で国際送金できるサービスの手数料に約4000円、郵貯銀行からWiseへの振り込み料に880円ほど支払っています。
● 寮の前家賃と保証金 約¥157,614
ドイツで滞在する寮の前家賃に約¥50,000 保証金に約¥100,000 国際送金手数料に¥7,614 支払っています。
この国際送金の際にゆうちょ銀行を使ったので、高い手数料がかかりました。
『Wise』という国際送金サービスを利用すると、格安に抑えられたと思います。
※残り5か月分の家賃は毎月の生活費(閉鎖口座から毎月振り込まれる分)から支払っています。
つまり、934€から公的健康保険代と家賃を引いたお金で、生活することになります。
およそ50,000円ほどでしたが、自炊をしたら足りたようです。
● 学籍登録、ゼメスターチケット
約¥35000
息子の留学した大学は学費無料ですが、学籍登録の際に約¥35,000ほど支払っています。この¥35,000の中には、州の決められた区間のみ交通機関が無料になるゼメスターチケット代が含まれています。
● ホテル代 ¥23,000
ドイツに着いてから寮に入るまでの三日間、ホテルに泊まっています。
ブッキングドットコムで、数か月前に予約しました。
● 新幹線、電車 約¥20,000
ドイツに到着した後利用した新幹線や電車代です。ゼメスターチケットが届くまでは、電車代が必要です。
● 寝具、食器、調理道具など 約¥20,000
寮で使用する寝具や食器類は現地のお店(IKEA)で買い揃えました。
● ビザ取得費用 約¥10,000
ドイツに入国後3か月は旅行のビザで滞在でき、その期間はなんとEU圏内を自由に行き来できます。
3か月以上留学する場合は、旅行ビザで滞在できる期間内に正規の学生ビザを取得します。
しかし、ドイツでのビザ取得は難関です。前年に留学した先輩の中には、かなり待たされたあげく、結局仮ビザしか取れなかった人もいたそうです。
その場合はビザ取得費用は安く済みますが、旅行ビザの3か月間が過ぎると、EU圏内を行き来することはできません。なんだか、もったいない気がしますね。
● SIMカード、その他雑費 約¥20,000 (ゆうちょデビットカード)
現金の他に¥20,000ほどを、ゆうちょ銀行のデビットカードに入れて持って行きました。
※念のためにクレジットカードも持参しています。
ネット銀行N26の申し込みは諦めずに何度もチャレンジ
先ほどふれた閉鎖口座の預金ですが、そのまま直接引き出して使うことはできません。
閉鎖口座から普通の銀行に毎月934€送金され、その普通銀行から預金を引き出して使うという仕組みです。
しかし、店舗を持つ普通銀行に口座を作ると毎月維持費がかかってしまいます。
そこで、息子は維持費のかからないネット銀行の『N26』に口座を作りました。先輩や友達もそうしていたようです。
この『N26』は、WEBで申し込みをします。
その際、アプリのビデオチャットで本人確認をするのですが、これがなかなか難しい。
息子は、たまたま2回目でパスできましたが、友達の中には、9回目でやっとパスできた人もいたとのこと。
何度も失敗すると凹みますが、優しくて相性の良い担当者に会えるまで、根気強くチャレンジし続ければ大丈夫かと思います。もちろん簡単なドイツ語か英語で、コミュニケーションをとれることが前提でしょう。
留学費用支払いの順番と費用を安くおさえるコツ
↓下の表は、10月の留学スタートに向けて、何月に何の支払いをしたかを、具体的に書いたものです。
ここまで、息子のドイツ留学にかかった費用について説明しました。
私立大学の学費や生活費に加え、半年の留学費用は我が家にとって非常に大きな出費です。
そこで、少しでも留学費用を安く抑えるために工夫しました。
① ドイツへの送金の際、為替を見ながら一番安い時に送金する。
② ドイツの大学や寮、閉鎖口座などの国際送金は、銀行ではなく『Wise』を使う
③ 航空券や現地のホテルは、最安で購入するために早く予約をする。
④ 日本円をユーロに両替する際、レートをよく調べ、最安の店舗で両替する。
一般のご家庭では微々たる差かもしれませんが、我が家にとっては大きな差。
特にユーロ高がどんどん進んでいる時期でしたから、為替をチェックして送金や両替をすることで万単位の節約ができました。
番外編:驚愕のギリギリ!尿管結石を乗り越え留学へ
ここからは、番外編です。
息子は大学1年生の夏頃から血尿が続いていました。
夏休みに帰省した際に泌尿器科を受診すると、腎臓に結石が見つかりました。
その結石が尿管を下りてくる時に、恐ろしい程の痛みが襲ってくるらしいのです。
しかしその頃は、留学まで1年間あるので、自然に排石するだろうと安易に考えていました。
その後、半年間は痛みがでることもなく、結石という爆弾を抱えたまま普通に生活を送っていましたが、いつ排石の痛みが襲ってきても、おかしくはない状態でした。
そして島に帰省していた大学1年の春休み、とうとう、その時がやってきたのです。
ものすごい腹痛に襲われ、のたうち回る息子。しかも39度を超える高熱。
あまりに苦しそうなので近くの病院を受診したところ、ここでは処置できないため隣の市の大きな病院に連れて行くようにと指示されました。
田舎あるあるですね。
その後、少しの振動でも苦しがる息子を車に乗せて1時間走り、即入院。
以前からある腎臓結石が移動したため尿管を塞ぎ、高熱と激しい痛みが起きているとの診断でした。
泌尿器科の先生と相談し、息子は入院したまま排石を待つことに…
しかし、熱は下がり痛みは無くなったものの、結石は全く動かず10日経過。
そこで医師からは、このまま入院し超音波で結石を砕く『破砕術』をするよう提案されましたが、息子の希望により、東京の病院で受けることにしました。
ここからの治療は、全て息子一人で対処しなければなりません。
大学2年生の五月、東京に戻った息子は、通学路線内の泌尿器科を受診。
担当の医師と話し合い、1か月おきに破砕術を2回し、それでも結石を排出できなかったら、内視鏡を尿管に通してレーザーで破砕するTUL(経尿道的尿路結石破砕術)をすることになりました。
留学まであと5か月、果たして息子はドイツに行けるのだろうか…
ここまで、医療費にざっと10万円はかかっており、最終的にいくらかかってしまうのか…
私はとても不安でした。
その不安は的中し、2回の破砕術でも結石はびくともせず。
この破砕術というものは、鎮痛剤を使用するのですが、それでも結構な痛みらしく、息子は「せっかく我慢して耐えたのに」と、とても残念そうでした。
八月、留学まであと2か月というところで、TULを施術できる病院に転院し手術。結石は無事に破砕され、やっと1年以上悩み続けていた結石とお別れできました。
退院した日は、さすがに息子自身で料理を作るのが可哀そうな気がしたので、島にいる親がウーバーイーツを注文してあげました。息子の具合が悪い時には、いつも私の方でウーバーイーツを頼みます。
(↓下の記事は田舎者の親が初めてウーバーイーツを注文した時の感動を書いたものです。よろしければお読みください。)
温かいご飯を食べさせることで私の気持ちも落ち着きます。配達員さん、いつも本当にありがとうございます。
その後息子は、体内にステントという管を残したまま島に帰省し、一週間ほど家族でゆっくり過ごしました。
息子曰く、「留学前には家族と過ごしたかった」ようで、主人も私も、息子の気持ちをとても嬉しく思いました。
九月半ば東京に戻り、さあ、いよいよ最後のステント抜去。これで病院通いもようやく終了。
留学まであと2週間というところで全快し、なんとかギリギリ間に合いました。
そして息子は留学までの2週間、アルバイトを一生懸命がんばりました。
結石が見つかってからの医療費は、全部で20万円ほどでしたが、主人の職場の保険により5万円を超えた分は還付されました。
留学前に痛い出費ではありましたが、息子の希望通り留学に行けたので良しとします。
息子よ、この留学に向けて、大学の勉強やアルバイトそして闘病と、一人で本当によく頑張ったぞ!
この番外編は、留学はたくさんの費用がかかるけれど『一番の節約方法は健康維持だった』というオチの話しでした。
ここまで長々とお付き合いくださり、ありがとうございました。